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【あらすじ】

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霊感少女・紗絢は親友の歩美と幽霊の友人モモと共に新生活を始めようとしていた。

 

穏やかな暮らしを望む紗絢の願いも空しく、

新居となるシェアハウスには隠れヲタクの美保のほかに、元住人であるパーティピーポーな幽霊・ちはるが暮らしていた。

 

奇妙な共同生活を送っていたある日、シェアハウスにちはるのかつての恋人、浩一が訪ねてくる。歩美が気になる様子の浩一を見て、ちはるの嫉妬が爆発する。

ある日事件は起きた。ちはるが歩美をナイフで襲ったのだった。紗絢はショックを受ける。

 

ちはるを成仏させることが歩美を守る最善の策と判断した紗絢は

美保と浩一に、ちはるの幽霊を成仏させるための手助けをさせる。

しかし紗絢の提案で生前の思い出を語り始めた美保たちをみて、ちはるは突然逆上する。

 

「ねえ、紗絢。成仏するためにはどうすればいいか知ってる？」

 

禁忌を犯してモモが紗絢に語ったのは幽霊が成仏するための条件。

それは「死後幽霊に与えられたナイフで生きている人間を一人殺すこと」だった。

 

自分が成仏するために誰かの人生を終わらせねばならないという状況の中で一度は歩美に刃を向けたものの怖気づいてしまったちはる。

生まれ変わってほしいという美保たちの想いを受け止めることは、もう一度歩美にナイフを向ける勇気が持てないちはるにとっては苦しいものだった。

 

事情を知った紗絢は、歩美を襲ったちはるへの怒りを拭えないながらも、美保たちを安心させたいというちはるの願いを叶える手伝いをする。

 

紗絢を仲介し、今までの感謝を伝えることに成功したちはる。

ちはるは次第に生きることの素晴らしさに気づき始めていた。

切々と紡がれるちはるの言葉に心を動かされたのは紗絢だけではなく、歩美も同様であった。

歩美はちはるに刺されたことをきっかけに霊感を手に入れていたのだった。

 

生きることを巡り、様々な思いが交錯する。

そんな中で歩美は、ちはるに与えられたナイフを手に取ると自ら命を絶つ。

 

新しい命が生を謳歌してくれる事を信じて。